結論から言うと「一番」は人によって変わります。シミには種類があり、原因と深さが違うからです。まずは種類を見極め、適切なエネルギー(レーザー/光)と出力・回数を選ぶことが最短ルートです。
本記事では代表的な治療(レーザートーニング、ピコトーニング、ピコスポット、フォトフェイシャル)を、シミのタイプ別に解説します。日常ケアとしての紫外線対策は全年齢で必須です。
シミの種類と原因

老人性色素斑
加齢+紫外線の蓄積で頬やこめかみに出やすい。輪郭が比較的はっきり。多くのシミがこのタイプにあたります。日光黒子ともよばれ、悪化すると数が増えたり、大きさが拡大したり、色が濃くなります。

雀卵斑
遺伝素因が関与しており、思春期以降に濃く見えることがあります。一般的にはそばかすと言われるものです。鼻を中心に頬にかけて小さな斑点が散らばっているようにあります。紫外線の影響で濃くなったり薄くなったりを繰り返す場合もあります。

肝斑
両頬に左右対称、境界がややぼやけ、こすり刺激やホルモン影響で増悪。女性に多い症状で、左右対称の薄ぼんやりと広がるシミ。女性ホルモンのバランスの乱れや、ストレスなどが大きく影響すると言われています。

炎症後色素沈着
炎症が収まった後に残る茶〜褐色。ニキビ、かぶれ、やけど、虫刺されなど肌がダメージを受けた部位に炎症が起きた場所の赤みが引いた後に、シミのような茶色い色素沈着が残ります。炎症している間に紫外線を受けると濃くなることもあります。
真皮メラノサイトーシス
ADMとも呼ばれ、主に成人の女性の頬などに左右対称に現れる、真皮の深い部分にあるメラニンによるあざの一種です。特徴としては、青みがかったり、茶褐色に見えたりする細かい斑点が集まって現れます。原因は明確にはなっていませんが、紫外線、女性ホルモン、摩擦などの刺激が関係していると考えられています。真皮深層が主体で治療に時間がかかります。
シミ取り治療の種類について
- レーザートーニング
低エネルギーを広く繰り返し照射してメラニンを少しずつ減らします。肝斑や全体のくすみに用いられ、刺激を抑えながらトーンアップを狙います。
回数:目安5〜10回以上
ダウンタイム:軽い赤みや乾燥 - ピコトーニング
ピコ秒領域のパルスでメラニンを微細化。肝斑・くすみ・細かな色むらに。従来よりも熱影響を抑えつつ、総合的なトーン改善を目指します。
回数:目安5〜10回以上
ダウンタイム:軽い赤み・乾燥 - ピコスポット
気になる点状の濃いシミ(老人性色素斑、雀卵斑の一部など)を狙い撃ち。輪郭がはっきりしたシミに適します。1ショットごとに色素を破砕し、照射後は濃くなって薄いかさぶたが剥がれていく経過が一般的。
回数:1〜数回
ダウンタイム:発赤・かさぶた・色素沈着のリスク - フォトフェイシャル(IPL)
広い波長帯の光で、濃いシミ・そばかす・赤み・毛細血管拡張・肌質などをまとめてケア。薄い日光ジミや全体の明るさ改善と相性が良い一方、濃く浮き上がるシミには単独で不十分なことも。
回数:月1回を数回
ダウンタイム:軽い赤み・一時的にシミが濃くなる
シミ別おすすめの治療法
- 老人性色素斑(はっきりした丸いシミ)
ピコスポットが第一選択。薄ければフォトフェイシャル併用も。 - 雀卵斑(そばかす)
フォトフェイシャル。 - 肝斑
ピコトーニングを低出力で複数回。リバースピールで肝斑の原因となるメラニンの生成を抑制。摩擦を避け、美容内服の併用が大切です。 - 炎症後色素沈着
刺激を避け、ピーリングやフォトフェイシャル、美容内服の併用がおすすめです。 - 真皮メラノサイトーシス(ADMなど)
一般の皮膚科で保険適用となる場合があるため、一度皮膚科でのご相談をおすすめします。
シミ取りレーザー後の経過は?
ピコスポット後は1〜2週間で薄いかさぶたが自然に剥がれ、その後一時的に炎症後色素沈着でくすむ時期を経て、数ヶ月で落ち着くのが一般的です。施術後は、保湿・紫外線対策が重要です。
トーニング/フォトフェイシャルは、照射後の軽い赤み・乾燥が主体で、回数を重ねて少しずつ改善。いずれも紫外線対策と摩擦を避けることが大切です。
合併症と注意点
- 赤み、ひりつき、乾燥、炎症後色素沈着、まれな瘢痕化。日焼け直後や抗生物質の内服時は適応外になることがあります。
- 肝斑は、強すぎる刺激で悪化することがあるため、出力・間隔・スキンケアの三点管理が必須。
- 自己判断でのピーリングや強擦はダウンタイム延長や色素沈着の原因になります。
よくある質問
Q. 1回で消えますか?
A. 濃く輪郭が明瞭なシミは1回で大きく改善することがありますが、肝斑・くすみ・ADMなどは複数回が前提です。
Q. トーニングとピコトーニングは何が違いますか?
A. どちらも広域を少しずつ薄くします。ピコはパルス幅が短く、熱影響を相対的に抑えつつ微細化を狙います。 Q. レーザー後に濃くなった気がします
A. 施術後は、炎症や皮膚の反応により一時的に濃く見えることがあります。多くの場合、時間の経過とともに落ち着いていきますが、紫外線対策と保湿をしっかり続けて頂き、変化がないようでしたら、一度カウンセリングで状態にてご相談ください。
まとめ
- 「一番効く治療」はシミの種類で変わります。濃いはっきりしたシミならピコスポット、薄いシミ、くすみや肝斑ならトーニング系、そばかすや濃いシミ、赤みなど複合悩みにはフォトフェイシャル(IPL)が効果的です。
- 出力と回数の設計、紫外線と摩擦のコントロール、ダウンタイムの過ごし方が結果を左右します。
まずはカウンセリングにてご相談ください。お肌の状態に合わせた最適な施術をご提案いたします。

