春は気温や環境が大きく変化し、それに伴いお肌の調子が不安定になりがちです。
春の季節に起こりやすい肌トラブルの原因や、お悩み別のおすすめ美容施術、日常でできるスキンケアの工夫、さらに、春から始める紫外線対策の重要性について解説します。
どの年代の方にも役立つよう、専門用語をできるだけ使わずにお届けします。
春の季節に肌が揺らぐ3つの原因
春先は肌の調子が乱れやすく、以下のような原因で肌荒れを起こしがちです。
花粉やほこりによる刺激
花粉の飛散がピークを迎える春は、肌に付着した花粉やハウスダストが刺激となり、かゆみや赤みなどの炎症を起こすことがあります。
健康な肌には本来バリア機能が備わっており異物の侵入を防いでいますが、乾燥などでバリア機能が低下した状態だと、花粉が侵入してアレルギー反応(いわゆる「花粉による肌荒れ」)を引き起こしやすくなります。
特に花粉症の方は、鼻をかむ動作やマスクの着脱でも肌への摩擦刺激が増え、より荒れやすくなる傾向があります。
空気の乾燥や気温・湿度の変化
冬から春にかけては空気がまだ乾燥している日も多く、さらに寒暖差が激しい時期です。
急な気温や湿度の変化は肌の水分バランスを乱し、乾燥による肌荒れを招きます。
春は「乾燥の季節」とも言われ、保湿ケアを怠ると肌のバリア機能が低下して外部刺激に弱くなります。
その結果、小ジワやカサつき、ゴワつきなど様々なトラブルにつながります。
また、気候の変化で自律神経が乱れることも肌の不調の一因です。
紫外線の増加
春になると冬に比べ紫外線量が大幅に増え始めます。
実は3月の紫外線量は9月とほぼ同じと言われ、4月・5月のUV量は真夏(7〜8月)とほとんど変わらないほどです。
冬の間に紫外線への意識が薄れているところへ急激に強まる日差しを浴びるため、「春だからまだ大丈夫」と油断しているとあっという間に肌にダメージを受けてしまいます。
紫外線はシミやソバカスなど色素沈着だけでなく、肌の乾燥やごわつきの原因にもなります。
悩み別おすすめ施術
春に起こりやすい肌トラブルに応じて、美容皮膚科で受けられるおすすめの施術をご紹介します。
お悩み別に適したケアを選ぶことで、効率よく肌の調子を整えることができます。
花粉やほこりによる肌荒れ・赤みが気になる方
「イオン導入・エレクトロポレーション」がおすすめです。
イオン導入(エレクトロポレーション)は、専用の機器で微弱な電流や電気パルスを肌に流しながら美容成分を浸透させる施術です。
普段のスキンケアでは届きにくい肌の奥までビタミンCやトラネキサム酸などの有効成分を届けることができ、肌のバリア機能回復や炎症の鎮静に役立ちます。
刺激が少なくダウンタイムもないため、花粉やほこりで敏感になったお肌のケアに適しています。
たとえばビタミンC誘導体を導入すれば皮脂を抑えつつ赤みを改善し、ヒアルロン酸を導入すれば乾燥した肌に潤いを補給できます。
皮脂詰まりやニキビが気になる方
「ピーリング・ハイドラフェイシャル」がおすすめです。
ピーリングはフルーツ酸などの薬剤で古い角質をやさしく除去し、肌のターンオーバーを促す治療です。
毛穴を塞いでいる角質や余分な皮脂が取り除かれることで、ニキビの改善や予防に効果があります。
ハイドラフェイシャルは水流を利用した最新のピーリング施術で、毛穴汚れの吸引と美容液導入を同時に行います。
水と一緒に古い角質や皮脂を吸い出すため刺激が少なく、施術後は肌がつるっと明るくなります。
従来のピーリングより乾燥しにくい低刺激のトリートメントなので、肌に負担をかけずに毛穴の黒ずみやザラつきをケアできます。
紫外線ダメージを受けやすい方
「美白点滴・レーザートーニング」がおすすめです。
美白点滴とは、高濃度ビタミンCやグルタチオン、トラネキサム酸など美白や抗酸化に有効な成分を点滴で体内に補給する治療です。
体の内側からメラニンの生成を抑えたり肌の抗酸化力を高めたりすることで、シミ・くすみの予防や改善に効果が期待できます。
紫外線を浴びてダメージを受けた肌の回復促進にも役立つでしょう。
レーザートーニングは弱いパワーのレーザー光を肌全体に照射し、メラニンを徐々に減らしていく治療です。
強いレーザーでは刺激が強すぎる肝斑や炎症後の色素沈着にも対応できるのが特長で、回数を重ねることで安全に肌のトーンアップ(美白効果)を狙えます。
紫外線によるシミ・ソバカスが気になる方に適した施術です。
花粉やほこり、皮脂肥厚への対策

春は外的な刺激が多いですが、日常のスキンケアの工夫である程度肌を守ることができます。
以下のようなポイントに気をつけてみましょう。
帰宅後はすぐ洗顔
外出中に肌に付着した花粉やほこりは、できるだけ早く洗い流すことが大切です。
家に帰ったらまず洗顔をして、肌表面の汚れやアレルゲンを落としましょう。
ゴシゴシ擦らず、たっぷりの泡でやさしく包むように洗います。
低刺激のスキンケアを心がける
花粉や乾燥でデリケートになった肌には、低刺激処方のクレンジングや化粧水・乳液を使うようにしましょう。
アルコールや香料を抑えた敏感肌向けの基礎化粧品が安心です。
洗顔後はすぐ保湿ケアを行い、肌にうるおいを与えてバリア機能を保ちます。
シンプルで保湿重視のケアが肌荒れ予防には有効です。
古い角質や皮脂を溜めない
春先は肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が乱れ、角質や皮脂が厚くなりやすい人もいます。
肌がゴワついたり毛穴詰まりが気になる場合は、週1〜2回程度の酵素洗顔や拭き取り化粧水など、マイルドな角質ケアを取り入れると良いでしょう。
スクラブなど刺激の強いケアより、酵素やクレイなど優しく汚れを除去できるアイテムがおすすめです。
花粉を防ぐ工夫
花粉や砂ぼこりが直接顔に付着しないように、外出時はマスクやメガネを活用するのも効果的です。
花粉をブロックする効果のあるUV下地やスプレーを使うのも一つの方法です。
また、帰宅後は衣服や髪についた花粉を玄関先で軽く払い落としてから家に入りましょう。
室内に花粉を持ち込まないことで、肌への二次的な刺激を減らせます。
春から紫外線対策をしよう
春はまだ空気がひんやりと感じられる日もありますが、紫外線量は冬より格段に増え始める季節です。
春先は肌が紫外線にも慣れていない、油断しがち。
春は紫外線量が急激に増えるため、早めのUV対策が重要です。
紫外線によるダメージ(いわゆる光老化)はシミ・シワやたるみの原因となるため、春のうちからしっかりと対策を始めましょう。
具体的には次のような方法があります。
SPF30以上の日焼け止めを毎日塗る
紫外線は晴れの日だけでなく曇りの日にも降り注いでいます。
春でも外出時は油断せず、顔や首など露出部分にSPF30以上・PA+++程度のUVカット効果がある日焼け止めを塗りましょう。
屋外で過ごす時間が長い場合はこまめに塗り直して効果を持続させます。
帽子や日傘を活用する
日中長時間屋外にいるときは、広いつばの帽子や日傘で物理的に日差しを遮りましょう。
特にUVカット加工された日傘は高い効果があります。
サングラスも併用すれば目元の紫外線対策にもなり、一石二鳥です。
抗酸化成分入りのスキンケア
日中浴びた紫外線による肌ストレスは、夜のスキンケアでリセットしましょう。
ビタミンCやビタミンEなど抗酸化成分を含む美容液やクリームは、紫外線で発生した活性酸素を抑え、シミやくすみの予防に役立ちます。
毎日の基礎ケアに取り入れて、内側からも紫外線ダメージに負けない肌作りを心がけてください。
以上、春におすすめの美容施術とスキンケアのポイントについてまとめました。
春先は肌トラブルが増えがちですが、適切なケアと早めの対策で健やかな美肌を保ちましょう。