脱毛には光脱毛から医療レーザー脱毛、ニードル(針)脱毛まで様々な種類があります。
本記事では、それぞれの脱毛方法の仕組みや痛み、効果の違いをわかりやすく解説し、さらに医療レーザー脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いや脱毛法の選び方についてもご紹介します。

毛の主な3つの方法

脱毛方法は大きく分けて以下の3種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

光脱毛(フラッシュ脱毛)

エステサロンなどの美容施設で行われる脱毛方法で、特殊な光(IPL)を肌に照射し、毛にダメージを与えます。
出力は抑えられており、効果は一時的な減毛が中心で、長期的な脱毛効果は期待できません
痛みは比較的少なく、1回あたりの料金は医療脱毛より安い場合が多いですが、十分な効果を得るまでには十分な効果を実感するには、ある程度の回数を重ねる必要があります。

※日本では、毛根を破壊する行為は医療行為と定められているため、サロンの光脱毛では毛の発毛組織を破壊することができません。

医療レーザー脱毛

クリニックや病院など医療機関で、医師または看護師によって行われる脱です。
毛のメラニン色素(黒い色)に反応するレーザー光線を照射し、その熱で毛根周囲の発毛に関わる組織(毛母細胞やバルジ領域)を破壊します。
医療用の高出力レーザー機器を使用するため、毛が生えにくい状態を長期間維持できる高い脱毛効果が期待できます。
数回程度の照射で大幅な減毛効果を実感できるケースが多いですが、一度ですべての毛がなくなるわけではありません。
毛には毛周期があるため、一定間隔で複数回の施術を受ける必要があります。
また、レーザーは黒い色素に反応する特性上、日焼けした肌や色素の濃い肌では火傷などのリスクに注意が必要です。

ニードル脱毛(針脱毛)

毛穴に極細の針を挿入し、電気を流して毛根の細胞を1本ずつ破壊する脱毛法です。
美容電気脱毛とも呼ばれ、医療レーザーが登場する以前から行われてきた伝統的な方法です。
毛の色や肌質に関係なく確実に処理でき、正しく施術すれば処理した毛穴からは毛が生えてこなくなります。
ただし、一度に処理できる毛は1本単位で範囲が狭く、広範囲の脱毛には非常に時間がかかります
またチクっとする痛みがあるため、施術者と相談しながら少しずつ進めたり、場合によっては麻酔を使用したりすることもあります。
料金も1本ごとの計算になるため、必要な本数が多いと費用が高額になりがちです。
このように、ニードル脱毛は確実性が高い反面、痛みと手間・費用の面でハードルがあるため、現在ではレーザー脱毛で取りきれなかった毛の仕上げや白髪などレーザーが効かない毛の処理に用いられることが多くなっています。 

医療レーザー脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いは?

医療レーザー脱毛には、大きく分けて熱破壊式」と「蓄熱式の2種類の照射方式があります。
どちらもレーザーの熱で毛根にダメージを与える点では共通していますが、アプローチの仕方に違いがあり、それによって痛みの感じ方や施術後の毛の抜け方に違いが生じます。
ただし、最終的にもたらされる脱毛効果そのものは「熱破壊式でも蓄熱式でも大きな差はない」とも言われています。
それでは、それぞれの特徴の違いを見ていきましょう。

脱毛の仕組みの違い

一般的に熱破壊式の方が痛みを感じやすく、蓄熱式は痛みが少ない傾向があります。
熱破壊式は1発ごとのレーザー出力が強く、「輪ゴムで弾かれたような痛み」や強い熱感を伴います。
特に毛が濃い部位では痛みが強くなることがあります。

一方、蓄熱式は低出力のレーザーを繰り返し当てるため刺激がマイルドで、感じ方としては「じんわり温かい」程度で済むことが多いです。
ときおり軽くチクッとする感覚を覚える場合もありますが、熱破壊式と比較すれば痛みはかなり抑えられています。
痛みに敏感な方や麻酔を使わずに脱毛したい方には蓄熱式が好まれます

毛の抜け方の違い

施術後の毛が抜け落ちるスピードにも違いがあります。
熱破壊式では照射後数日〜2週間ほどで毛がポロポロと抜け始め、「脱毛できている!」という実感を得やすいです。
熱によって毛根が破壊されているため、焼けた毛が自然と押し出されるように抜け落ちる現象(ポップアップ現象)が起こります。
これに対し蓄熱式では照射から2〜3週間過ぎたあたりで徐々に毛が抜け落ちてくることが多く、抜け始めるタイミングが遅いため「いつの間にか毛が減っていた」という緩やかな実感になります。
このように即効性の実感という点では熱破壊式が優れますが、最終的な脱毛効果自体は熱破壊式も蓄熱式も同等とされています。

黄ニードル脱毛(針脱毛)の仕組みとは?永久脱毛の決定版?

ニードル脱毛は、電気脱毛とも呼ばれ、毛穴ごとに針を入れて電流を流すことで毛根を破壊する方法です。
その場で毛そのものを物理的に処理するため、適切に行えば処理した毛穴から新たな毛が生えなくなる点で非常に高い脱毛効果を持ちます。
ニードル脱毛は毛質や肌質を問わず、確実に毛を処理できるという大きな強みがあります。
例えばレーザーでは反応しづらい白髪や色素の薄い金髪、産毛などでもニードル脱毛なら脱毛が可能です。
また、レーザーを照射できないほくろの上や刺青(タトゥー)部分の毛、眉の周りなど細かな部分の脱毛にも有効です。
このように優れた点の多いニードル脱毛ですが、先述したように痛みが非常に強く、1本ずつの処理で効率が悪いため費用も高額になりやすいというデメリットがあります。
そのため、現実的には広い範囲の脱毛にはレーザー脱毛を用い、残った部分のみニードル脱毛で仕上げるというケースが一般的です。
ニードル脱毛は確実に毛をなくせる反面、使いどころを見極めて上手に活用することが重要です

脱毛法を比較!痛み・効果・回数の違いと選び方のポイント

最後に、ここまで紹介した脱毛法の特徴を踏まえて、それぞれの痛みの度合いや効果の出方、必要な回数の違いを整理し、どのような方に向いている方法なのかをまとめます。

脱毛法みの強さ効果実感の
スピード
必要な施術回数
(目安
向いている人の特徴
熱破壊式
やや強い
(ゴムで弾かれる程度)
早い
(数日〜2週間で毛が抜ける)
約5〜8回
(個人差あり)
濃い毛を早く減らしたい方
早めに効果を実感したい方
蓄熱式弱め
(じんわり温かい)

やや遅め
(2〜3週間後に抜ける)
約6〜10回
(部位により異なる)
痛みが苦手な方
敏感肌・色黒肌の方
産毛をゆっくり減らしたい方
ニードル脱毛強い
(チクっとした痛み)
即効性あり
(その場で処理完了)
本数に応じて
(非常に多い場合は長期)
白髪や色素の薄い毛を処理したい方
デザイン脱毛をしたい方
確実に毛をなくしたい部位がある方

破壊式レーザー脱毛が向いている人

多少の痛みよりも早く効果を出すことや少ない回数で脱毛を完了させることを重視する方に適しています。
毛を根元から強力に処理できるため、濃い毛も短期間で減らすことが可能です。
ただし、日焼けした肌の方や痛みに弱い方には向かない場合もあるため注意しましょう。

蓄熱式レーザー脱毛が向いている人

痛みをできるだけ抑えて脱毛したい方や、肌への刺激を最小限にしたいに適しています。
肌が敏感な方や色素の濃い肌質の方、痛みが強く出やすい部位の脱毛に不安がある方でも、蓄熱式なら比較的安心して受けられるでしょう。
脱毛効果の実感に時間がかかっても構わない、ゆっくりでも着実に毛を減らしていきたいという方にも向いています。
また、毛が細めの部位や産毛の脱毛にも適すると言われています。

ニードル脱毛が向いている人

どうしても処理したい特定の毛がある方におすすめです。
例えば、レーザーでは反応しない白髪や少数残ったムダ毛の仕上げ処理、眉周りなどデザインを整えたい部分の毛にはニードル脱毛が活躍します。
一本一本確実に毛根を破壊できるため、「ここだけは二度と生えてほしくない」という毛を確実になくしたい場合に適した方法です。
ただし、痛みが強く長時間の処置が難しいため、広範囲の毛を一気に処理するのには不向きです。
レーザー脱毛で減らした毛の残りをピンポイントで処理するなど、他の方法と組み合わせて使うと効果的でしょう。

目的に合った方法で選ぼう

脱毛法にはそれぞれ長所と短所があり、痛みの感じ方や効果の現れ方には個人差があります。
ご自身の毛質・肌質、そして目的に合った方法を選ぶことが大切です。
不安な点がある場合は無理をせず、医療機関で専門家に相談してみましょう。
適切な脱毛法でムダ毛の悩みを解消し、快適なお肌を目指しましょう。