季節の変わり目になると、「なぜか毎年この時期になると肌がかゆい」「頬やあごが赤くなる」肌の調子が崩れやすくなる方は多いのではないでしょうか?

特に秋は、乾燥や冷たい風の影響だけでなく、意外な原因のひとつに「花粉」が関係していることがあります。
春だけでなく、秋にも花粉症に悩まされる方が増えており、その影響は肌荒れにも及ぶことがわかってきました。

本コラムでは、「秋の肌荒れと花粉の関係」をはじめ、今すぐできる簡単な対策やスキンケアのポイントなどをわかりやすく解説します。
敏感な肌を守り、快適な秋を過ごすための参考にしてください。

秋の肌トラブル、実は花粉が関係しているかも?

春のスギやヒノキに比べると、注目されにくい秋の花粉。
しかし、実はこの季節にも「ブタクサ」「ヨモギ」「カナムグラ」などの植物が花粉を飛ばしています。
これらの花粉は9月~11月頃にかけて多く飛散します。
また粒子が小さく、空気中を長時間漂うことで肌に付着しやすいといった特徴があるため、「花粉皮膚炎」と呼ばれる肌トラブルを引き起こすことがあります。

花粉が肌に付着すると、肌のバリア機能が低下しやすくなります。
その結果、かゆみや赤み、乾燥、炎症などが現れ、肌荒れの原因になるのです。
また、花粉と一緒に大気中のほこりや排気ガスも肌に付着し、刺激となって症状を悪化させることがあります。

秋の肌を守る基本のスキンケア

洗顔・クレンジング、肌を傷めないための注意点

花粉が肌に付着したままだと刺激になるため、帰宅後の洗顔は丁寧に行いましょう。
ただし、「洗いすぎ」は逆に肌のうるおいを奪ってしまうため注意が必要です。

クレンジングや洗顔料は、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまうことがあるため、洗浄力がマイルドなものを選びましょう。
クレンジングは刺激の少ないミルクタイプやクリームタイプがおすすめです。
摩擦は避けて、やさしく肌にのせるように使いましょう。
洗顔時は、ゴシゴシこすらず優しく泡で包み込むように洗い、ぬるま湯で肌をこすらずに、そしてしっかりと洗い流すことがポイントです。
洗顔後は、できるだけ時間を空けずに保湿をするのがベスト。
肌が乾く前に、化粧水と乳液を重ねてあげることで、肌のうるおいを保つことができます。

やっぱり大切!保湿のコツとおすすめアイテム

秋は気温・湿度が下がり、空気が乾燥しやすいため、肌の水分が失われやすい季節です。
保湿は肌のバリア機能を維持するうえで最も重要なケアの一つ。
肌が乾燥するとバリアが弱まり、花粉などの刺激物質が侵入しやすくなります。

おすすめの保湿ポイントは、洗顔後すぐに化粧水や美容液で水分を補給し、その上からクリームや乳液などの油分でしっかりフタをしてあげること。
また、セラミドやヒアルロン酸、シアバターなど保湿効果の高い成分が含まれたスキンケアアイテムを選ぶと効果的です。
特に敏感になっている肌には、無香料・無着色・アルコールフリーなど、刺激の少ない製品がおすすめです。

花粉の季節に気をつけたい予防習慣

今日からできる!肌のための花粉対策

スキンケアと並行して、日常生活の中でも花粉対策を意識しましょう。

  • 外出時の対策
    帽子やメガネ、マスクを着用し、できるだけ肌に花粉が直接触れないようにします。
    衣服は花粉が付きにくい素材を選び、帰宅後はすぐに衣服を変えるのがおすすめです。
  • 洗顔と保湿の習慣化
    外出後はなるべく早く顔を洗い、花粉やほこりを洗い流しましょう。
    その後は必ず保湿を行い、肌のバリアを補強します。
  • 室内環境の整備
    こまめな換気や掃除で室内の花粉を減らし、空気清浄機を活用するのも効果的です。

食べ物でサポート!アレルギーにやさしい食生活

肌のバリア機能や免疫バランスを整えるためには、日々の食生活も重要です。

ビタミンA・C・Eや亜鉛、オメガ3脂肪酸など、抗酸化作用や炎症を抑える栄養素を積極的に取り入れましょう。
具体的には、緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草)、ナッツ類、青魚(さば・いわし)、納豆やヨーグルトなどの発酵食品がおすすめです。
腸内環境を整えることは免疫バランスに良い影響を与え、アレルギー反応を抑える働きも期待できます。

つらい肌荒れ…どうすればいい?

花粉による肌荒れがひどくなると、かゆみや赤み、湿疹などの症状が長引くことがあります。
自己判断で強い刺激のあるスキンケアを使ったり、掻きむしったりすると症状が悪化する恐れがあるため注意が必要です。

症状が重い場合や長引く場合は、皮膚科を受診しましょう。
専門医による適切な治療や保湿指導、場合によってはステロイド外用薬や抗アレルギー薬の処方で、早期に症状を抑えることができます。

肌のバリア機能ってなに?肌のバリア機能を整えるために、できること

肌のバリア機能とは、外部の刺激や有害物質、細菌(花粉やホコリ、紫外線など)の侵入を防ぎ、内側の水分を逃さない役割を果たしている肌の”天然のガード”です
このバリア機能が低下すると、肌は乾燥しやすくなり、花粉などのちょっとした刺激でも敏感に反応するようになります。

バリア機能を整えるポイント

  • 十分な保湿
    前述のとおり、保湿はバリア機能を正常に保つ鍵です。
    セラミドを補うスキンケアアイテムが特におすすめ。
  • 過剰な洗顔を避ける
    洗顔のしすぎや強い洗浄力のクレンジングは必要な皮脂まで取り除き、バリアを壊してしまいます。
  • 生活習慣の見直し
    睡眠不足やストレス、偏った食生活は肌のバリア機能を弱める原因に。
    十分な睡眠をとることで肌の修復力を高め、バランスのとれた食事で肌の土台を強くすることが重要。
    ストレスも肌のバリア機能を低下させる要因となるため、意識的にリラックスできる時間をつくることも忘れずに。
    入浴、アロマ、軽い運動など、自分に合った方法で、自分に合った方法でストレスを軽減しましょう。
  • 紫外線対策
    紫外線もバリア機能を破壊するため、秋でも日焼け止めの使用が効果的です。

まとめ

秋の肌トラブルは、気温や湿度の変化だけでなく、「花粉」という見えにくい敵によって引き起こされていることがあります。
スキンケアや生活習慣を見直しながら、肌のバリア機能を守ることが、秋の肌荒れ対策のカギです。

「最近、肌の調子が悪いな」と感じたら、ぜひ今回ご紹介した対策を今日から取り入れてみてください。
もし肌荒れが続く場合は、自己判断せず皮膚科専門医に相談することをおすすめします。
正しいケアで秋も健やかで美しい肌を保ちましょう。

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